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8月16日(土) パリ〜ロンドン(英仏海峡特急ユーロスター)今日はいよいよ最後の目的地ロンドンへ移動する日である。昨日と同様、朝食ビュッフェにて食事をとる。昨日と同様、人は僕たちだけだった。今日はフランスの超高速列車ユーロスター(Eurostar)に乗車するので、その中で食べようと、昨日おいしかったマドレーヌをひとつもらっておくことにした。荷物をまとめてから、このプチホテルともお別れし、サンミッシェル・ノートルダム駅から地下鉄B線にて、ユーロスターの発車するパリ・ノール駅ま(北駅)で移動する。B線はフランス国鉄の経営ではないため、ユーレールパスが使えないのが残念だ。約10分ほどでパリ・ノール駅に到着した。 ユーロスターは、フランスからイギリスのロンドンへ行くため、当然のことながら出国のためパスポートの提示が必要となる。また、事前予約が必要で、乗車30分前までにチェックインし、X線などの荷物検査が必要など、航空機の搭乗手続きに似た点が多い。ただし、空港だったらジャンボジェットが頻繁に行き来しているはずなのに、ここでは眼下のホームにThalysやTGVといった、多数の超高速列車が顔を並べている。
TGVは1等車だったが、ユーロスターは2等車に乗車する。僕の乗車する2号車はかなり前にあり、しかも発車1分前ということが判明したため大慌てで長いホームを走ったが、どうにか間に合った。ここは搭乗手続きのようなことをしているから、手続きをしたすべての利用客が乗車するのを確認するまで発車しないのだろう、結局パリ・ノール駅を3分遅れで出発することになった。 やはりしばらく走るとすぐ、野原に出てしまうのはTGVと共通で、実に平らな平原を走るだけだが、遠くに小さな民家があるなど、まだ見て面白いものがあるので、しばらくは車窓に展開する景色を見て楽しんだ。 さて、2等車内は、イエローとグレーを基調とした落ち着いた雰囲気となっている。照明は直接照明だが、等間隔に間をあけて設置されているほか、蛍光灯も電球色に近いものだった。つまり、ユーロスターの2等車内は、1等車ほど豪華ではなく、シンプルな構造としながらも、さりげなく豪華さを漂わせた車両といえそうだ。さらに、ビジネスでの利用が多いためか、座席での携帯電話の使用は許可されているが、「配慮して with consideration」使うようにとの放送がされていた。 発車したので、僕はホテルから持ってきたマドレーヌを食べるようとポケットから出したが、なんとすでに粉々になっており、とても食べられる状態のものではなかった。とても残念である。この「粉末マドレーヌ」は、後日、鳥のエサとなったので良かったのだが。 さて、野原に出ると、さすがにスピードが上がった。時速250km近くは出しているようだ。TGVも含めて、ヨーロッパの超特急は、民家が少なく、騒音に影響がない場所でフル能力を発揮するものらしい。しかし、TGVと違って揺れはそれほど感じない。線路条件が良いのか、それとも車両が良いのかは分からないが、そでれでも日本の新幹線よりは揺れる。TGV、ユーロスターの両方に乗ってみた今、日本の新幹線と比較してみると、ここで改めて日本の新幹線の技術の凄さを実感する。山あり谷ありの東北新幹線を走る、初期の200系新幹線でさえ、言われないと分からないほど揺れないのに、TGVやユーロスターはこんな平原を走っているのにもかかわらず、小刻みな揺れが多いと思う。やはり、超高速列車の技術は日本の方が進んでいるに違いない。
さて、そろそろお昼時になってきたのでビュッフェに出かけてみることにしよう。ビュッフェは18両編成のうち、6号車と13号車についている。18両も連結するユーロスターの場合、編成中に1両では用が足りないのだろう。ビュフェでは、サンドイッチやパン、スープ、飲み物はコーヒーからオレンジジュースまで、品揃えはバラエティに富んでいる。メニューは、英語、フランス語、ドイツ語の3種類があり、支払いはユーロ、ポンドの2つが使える上、少額でもクレジッドカードもOKである。フランスとイギリスをまたいで運行しているユーロスターならではといえよう。 僕は、大きなフランスパンに野菜などがはさまれたサンドイッチとココアにした。買った食事はビュッフェで食べても良いし、座席に持ち帰って食べても良いらしい。サンドイッチはとてもおいしく、ココアも紙コップに、粉を入れてお湯をその場で入れてくれたものだから、温かくて良い。ユーロスターにはこのような充実したビュッフェがあるため、車内販売は行われていない。 ユーロスターのビュッフェを見て、今の日本人は面倒くさがり屋だとつくづく思った。日本では、東北新幹線の200系にビュッフェがあり、カレーライスなどを販売していたが利用客低迷により、平成14年5月の改正をもって惜しくも廃止されてしまった。日本の新幹線などの列車は、一部をのぞき車内販売が行われている。これは、新幹線が開業してすぐの頃からあったため、今の日本人には車内販売があることがすっかり常識的となり、ビュッフェへいちいち足を運ぶのが面倒という、悪い考え方を日本中に広めてしまったものだと思われる。だからといって、ビュッフェを次に登場する新型車両に取り付けて、その代わり車内販売をなくしたとしても、乗客からは苦情が出たり、車内販売のある従来の車両を使用する列車に乗客が偏ったりするだけだろう。ビュッフェの例を見て僕は、「常識の怖さ」というものを実感した。 さて、ビュッフェに行っている間に、列車全長 50.3 kmのユーロトンネルに突っ込んだ。ユーロトンネルに入る手前には、まわりにたくさんの照明があったり、高い柵が設置されている。聞いた話によると、ユーロトンネルを歩いて英国に密入国しようとする人が多く、フランスの警察が対策に苦労しているとのことである。 ユーロトンネルを約5分ほどで抜けると、風景はもうイギリスだ。建築様式などもはっきりと違う。このあたりは家が多いために、ユーロスターもかなり減速して走っていた。かなり前に言った「民家が少なく、騒音に影響がない場所でフル能力を発揮するものらしい」というのは本当のことのようだ。 到着30分前ほどになると、客室乗務員がかごを持って車内を回り、利用客一人一人に、キャンデーを配って回った。これは店で市販されているもののようが、かなりサービスが良い。TGVではこんな良いサービスはなかった。キャンデーをなめながらのんびりと窓の景色を眺めているうちに、案内放送のチャイムがなり、発車から約3時間でロンドン駅に到着した。ロンドンとパリでは1時間の時差があり、ロンドンの方が遅いので、時刻表の上では2時間しか走っていないように見える。
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駅を出て、本日泊まるホテルへ向かう。道路には、さすがロンドンというだけあって、赤い2階建てバスが多く走っている。ホテルは「パークレーン・シェラトン」という大きな古いホテルで、偶然だが日本国大使館の隣だった。こちらも四星ホテルである。とりあえず荷物を置いた後、バッキンガム宮殿と、ビッグベンを見に行くことにした。エリザベス女王がお住まいになっているバッキンガム宮殿は、ホテルの前に広がる公園(グリーン・パーク)を抜けていけばすぐなので、この「パークレーン・シェラトン」は位置的にも良いところだと思う。
さて、ここで今夜の夕食を買うべく、そばにあった食料品店に入る。食料品店では「Sushi」を売っていたが、ネタはサーモンしかなかった。 パンとお惣菜を買って店を出た後、今度はビッグベンのすぐ下にある地下鉄ウェストミンスター駅にいく。これから地下鉄を乗り継いで、「ハリー・ポッター」で有名なキングズクロス駅の「9と4分の3番線」を見学しに行くことにしたのだ。10分くらいですぐにキングズクロス駅に到着、さっそく9番ホームへ向かうが、「9と4分の3番線」の看板は、9番線と10番線の間にあるのではなく、9・10番線入り口の外壁に看板が下がっているだけだった。映画とぜんぜん違っていたし、単に看板が下がっているだけのつまらないものだが、観光客が次々と訪れていた。 さて、僕はイギリス名物の「フィッシュ アンド チップス」なるものを食べることにした。タラの周りに、分厚くてフォークで軽く押すとじわじわと油が染み出てくるような油っこい衣がついていて、その下にはこれまたいやというほど油っこいフライドポテトがどさっと付いているもので、ヘルシーな食べ物が好きな僕は、頑張って「フィッシュ」のほうはなんとか食べたのだが、「チップス(ポテト)」のほうは、半分くらいが限界だった。食べ終わった後も、お腹の中に油がたまっている感じでなんとなく気持ち悪い。このキングズクロス駅前はあまり治安の良いところではないので、ここからは早々に退散し、駅構内の本屋に行くことになった。 本屋には、英国の鉄道雑誌はもちろんあったので、試しに2冊買い込んだ。帰りは先ほどの地下鉄に乗って、ホテル最寄り駅のグリーンパーク駅で下車し、ホテルに戻った。
今日は胃も痛くならなかったし、体調はごくごく良好だと思う。明日もこの状態を維持して、ロンドンをあちこち周遊するのが楽しみだ。
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