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九州ブルトレ紀行

2007/12/21 - 2007/12/23


2007/12/21

東海道線で東京へ向かった。
今日は、初めての「銀河」「富士」に乗車する旅行ということで、
初めから何か差をつけたかったので、あえて750円払ってグリーン車で行くことにした。

東京までの東海道線はE231系。
車内はとっても快適だったが、トイレにいくついでに普通車を見てみると、
普通車も意外とガラガラで、わざわざグリーン料金払わなくても座れたか?
そんな錯覚すら覚えてしまうほどすいていた。

東京には40分くらいで到着。
ついたのが22時20分をまわっていたので、
さっさと「銀河」の入線する10番線ホームへ向かった。
ホームには、鉄道ファンがやはり目立つが、子供連れ、お年寄りのグループなども意外と多い。また、珍しくスーツ姿の人も数名見かけた。

「銀河」は最近まで、10番線を一旦通過して神田寄りに引き上げた後、
方向転換して9番線に入ってくるというのが一般的だったようだが、
今晩は珍しく、10番線に機関車を従えて入線し、進行方向前よりから、
また別の機関車が先頭につくというオペレーションが行われていた。
そのため、ホームに22時35分頃に着くとすぐにドアが開き、荷物を置いて身軽に活動できたのは嬉しかった。

私の今晩の宿は、2号車1番下段。
さっさと荷物を置いて浴衣に着替え、上からジャケットを羽織って貴重品だけを身につけ、さっそく車内を回ってみる。
今日の銀河は8両編成と、なかなか盛況のようで、車内放送でも「この列車の寝台は全て売り切れています。」と繰り返している。

「銀河」は日によって6〜9の間で両数が変わるため、案内表示に表示される全ての表示をコンプリートしてみるのも楽しそう。 今晩の宿はこれだ! 12月21日発車「銀河」号。
私が使った寝台。セットした状態で一枚パチリ。 A寝台には喫煙所があり、息抜きスペースとして利用できる。タバコの煙が気にならなければ、そこにいるだけでいろいろなお客さんと交流できるので楽しい。

私の2ボックス先に、けっこう気さくな感じのおじさんがいたので、
浴衣姿で記念撮影をしてもらい、
ついでにそのおじさん仲間の会話にも入れてもらった。
そのおじさんたちは、「飛行機をのぞく乗り物全般大好き」という方たちで、
紀勢本線に乗りに行き、その先のバスにも乗るのだという。

私が、飛行機の離陸時にはいつも手に汗を握る、というと、
上段で寝そべっていたおじさんが笑ってこう言った。

飛行機が怖いんですか? 大丈夫ですよ。
落ちても
(=墜落しても)痛くありませんから♪

ハーッハッハッハ♪♪
いきなりおもしろいことを言われて、私もテンションが上がってしまった。

そのままA寝台をのぞきに行くと、入口の喫煙コーナーのところで、
小学校高学年くらいのの女の子と、そのお父さんらしい男性が座っていたが、
彼は私の姿を見ると、カメラを渡すから写真を撮ってくれないか、と頼んできた。
もちろんOK!
「はい、チーズ♪」と、掛け声もいれて撮影してあげると、
女の子はとっても喜んでいた。

女の子はさっさと寝台へ引き上げてしまい、
喫煙コーナーには私とその男性だけになったので、軽く世間話。
その男性には、男の子とさっきの女の子、二人の子供がいるのだが、
男の子のほうが鉄道好きで、今回廃止になるから、
最後に乗せてやろう、と、銀河に乗車するらしい。
それなのにA寝台で行くのか???

「うわぁ、しかしA寝台で行かれるとはうらやましいですねぇ。
うちは子供の頃から、親のお金でグリーンも乗ったことないんですよ♪」
いやさ、子供 2人とオレで 3人で、最初は B寝台のボックス1つとってたんだけど、
あとあとよく料金計算したら、A寝台 3つの方が安いって分かったんだよ。
乗るなら、できれば A寝台の方がいいだろ?
」(男性)
「なるほど、それは確かにそうですね。僕も将来は A寝台に乗れるように、がんばってお金ためたいです♪」
君も気をつけろよな。子供のうちから金遣い荒いと、
将来、大人になったときにぜったい困るから。
若造はおとなしく Bが妥当なのかなぁ♪
」(男性)

発車前だというのに、その男性はコンビニで仕入れたとおぼしき日本酒とビールで、
すでに顔全体を赤く染めている。
そんな笑い顔で、くわえタバコでその男性は言った。

しばし楽しい時間を過ごしてから寝台に戻ると、ちょうどドアが閉まり、発車。
私も荷物をまとめ、カーテンを閉めて、ベッドに横になった。
開放型B寝台は狭いが、それでもカーテンを閉めると相当暗くなり、
ベッド幅もかなりあるのでゆったりとくつろげる。

まだ人の多い浜松町駅をハイスピードで駆け抜ける。

横浜を出ても、小田原を出ても、熱海を出ても…寝れない。
やっぱり興奮してるからなのかなぁ。
ブルトレって、滅多に乗らないからなぁ〜。
私のまわりでは、横浜に着くあたりまでは乗客が一杯やったりなど、
なかなか楽しい雰囲気だったが、横浜を出てからは見事に静かになってしまった。

う〜む、オレもいつか、
「へ、また富士か。もう撮りつくしたし、今晩はさっさと寝よう」
なんて言葉、一度でいいから口にしてみたいなぁ〜。

結局、眠りについたのは静岡を過ぎてからだった。


2007/12/22

結局、ゆうべはほとんど眠れないまま「銀河」での朝を迎えた。
夜半に一度、大きな衝撃を感じて目覚めた時は岐阜駅を出たところだった。おそらく運転士のハンドル操作が荒っぽかったのだろうが、目覚めたのは私だけではなかったらしい。

米原を出ると、ぼちぼちと降りていく人が出始める。洗面所は朝らしくなかなか混雑しており、備え付けのコップで口をゆすいで歯磨きをしたり、昨日A寝台の男性とトークした喫煙所では、身支度を済ませた人が下車前の一服を楽しんだりなど、思い思いの行動をとっている。
私も京都を出た後に浴衣から元の服装に着替え、歯を磨いて準備を整えた。

7時18分、終点の大阪に無事到着。意外にも鉄道ファンは大勢詰めかけており、
しきりに機関車へ向けてフラッシュが光っている。12月の7時ともなればまだ薄暗く、
私もフラッシュ無で撮った写真はいずれも手ぶれしていた……(^^;)。

一通り撮影を終えて階段を降りようとしたら、たまたま車両の字幕に目が行ったのだが、他の車両が「回送」を表示する中、1両だけなぜか「出雲 品川」という行先で停まっている字幕があった。単なる故障なのだろうが、品川まで来たのなら東京まで行っても大して変わりはしないだろうと、半ば薄笑いを浮かべつつ、シャッターを切る。

東京から「銀河」を牽引してきたEF65 1112。ご苦労さまでした。 出雲の品川行き。

大阪〜新大阪は、乗車券のままだと重複乗車になるため、一旦改札を出て、
Suica で再び入場した。JR西日本といえばICOCAが有名だが、
東京で日常的に使っているSuica が、遠くの西日本でも使えるというのは、
何となく不思議な気持ちである。

乗り込んだ高槻行きの普通列車は、初めての321系だった。
噂どおり、車内はとってもきれいだったし、テレビもついているため退屈しない。
私は偶然運転席の後ろに立っていたのだが、運転手の、
「出発進行!」などという声は、車内にも響くくらい大きかった。

いいよなぁ〜、テレビゲームの中で運転しているオレなんか、
テレビに向かって「制限45!」なんて叫んでも、変な人にしか見られないもんなぁ〜。

新大阪には数分で到着、Suicaで改札を出て、さっきの乗車券で再び入場し、
朝飯を調達しに駅弁屋をいくつか回った。
その結果、今朝の朝食は「大阪かつ弁当」に決定、850円と比較的手ごろな価格ながら、そのボリュームはなかなかのもの。味もかなり良く、おいしくいただいた。ごちそうさまです。

8時9分発の「こだま」609号で広島へ向かった。
609号は開業当時からの0系が使用されるいまや貴重な列車で、
これに乗るために、行きに「銀河」にするか、あるいは帰りにするかと、相当迷うことになったが、これだと大阪行き「銀河」からでも50分くらいで乗り継げるので、けっこう使いやすい列車である。「銀河」と併せて乗車されてみれてはいかがだろうか?

新塗装の0系。この光景も2008年末までだ。

0系に乗ったのは5歳の時、これも今は亡き東海道新幹線の「こだま」だった。乗車したのが売店のついている車両で、座っている席から速度計が見え、「200」を指したままで駆け抜ける速さに、幼心にも感動したのも覚えている。
車内で駅弁を食べた後、ガラガラな車内を撮影していると、通りかかったJR西日本の車掌氏に、2008年末で0系は完全引退するので、お客さんは運がいいですねぇ、と笑われた。だが、車内にはレールファンとおぼしき人の姿はあまり見かけられず、ほとんど短距離のビジネスマンとか家族連れだった。
フィーバーが始まる前にこれてよかったと思う。きっとこれが最後なんだろうね。

昨日全然寝られなかったせいか、この「こだま」ではすばらしき爆睡をしてしまった。気づいたらもう岡山を過ぎていて、車内は本当にガラガラ。途中、「RailStar」とか「のぞみ」にゴボウ抜きされつつ、地道に広島を目指す。

広島には11時14分に到着、ここで次の普通列車まで46分の接続待ち。
さて、改札を抜けるのだが、切符を記念にとっておきたかったので、有人改札の方へ向かい、そこにいた女性係員に声をかけた。

「あの…、この切符なんですけど…、」
あ、これなら大丈夫ですよ♪ そのまま自動改札に入れてください♪
「いや、そうじゃなくて…。」

私が言い終わる前に、その女性は私の切符を改札に入れてしまったっ!
慌てて事情を説明すると、女性はひたすら平謝りしながら、
わざわざ改札を開けて、私の切符を取り出してくれた!
なんで親切なんだろう! ありがとうございましたm(__)m。

ふと気づくと、新幹線の改札前にいた同い年くらいの女子2人が、
オレの方を明らか、変なモノ見る視線で見ているではないくわぁああ〜〜〜〜!?!?
まぁしゃーないか…。わざわざ駅員に切符をとらせる人なんて、
普通の人が見たらおかしく感じるのね……。

当日は私の日頃の行いが相当悪いせいか、あいにくの雨。
傘を持ってこなかったので、駅舎を撮影するだけでかなり疲れるハメとなった。

雨に濡れながら撮影した広島駅駅舎。 広島の名物らしい(?)おむすびを入れた「おむすび弁当」。もっとも、ご飯がおむすび状になっているというだけで、食べ方は普通のご飯と同じだった。
なぜか中国語でも歓迎のメッセージが。 快速「シティーライナー」。名前はカッコ良くても車両は昔ながらの115系だ。

広島駅で、現地の名物らしい「おむすび弁当」なるものを購入し、
次の列車である快速「シティーライナー」新山口行きに乗り込む。
車内はメチャメチャ混雑していたが、うまい具合に席を見つけることができた。
青春18きっぷシーズンのためか、地域の人の利用も多いが、
鉄道ファンらしい人の一人旅が多かったのは印象的だった。

車両はかなり古い115系だったが、しっかりメンテナンスされているらしく、
走りはかなり心地よかった。
首都圏からはほとんど一掃されちゃった感のある115系だけど、
きっとこのあたりでは今後も活躍するんだろうなぁ〜。

左手の車窓には瀬戸内海が広がるが、地域の人も、青春18きっぷ利用者も、
そのあたりはよく心得ているようで、左手の座席は全て埋まっていた。

下り列車では進行方向左手に瀬戸内海が広がる。山陽本線のハイライトと言えよう。

115系の重厚なモーター音を聴きながら、のんびり新山口を目指す。
さっきまで新幹線でガンガン走ってきたけど、こういう普通列車だと、
「旅先の日常風景」を見ることができるから、また違った楽しみがある。

例えば、このあたりの車掌は、到着放送をする時、
まもなく、○○です。お出口は右側です。ドアから手を離してお待ち下さい。
というが、この「ドアから〜」という表現は首都圏とか大阪近郊では、
全く聞かないような気がするから、かなり新鮮だった。

また、首都圏の電車では、車内でケータイをいじる人がすごく多いけど、
このあたりは山間部で電波が悪いのをみんな知っているためか、
学生も大声で話したり、漫画を読んだりしている。

あとは、一番悲しかったのは、柳井駅で、首都圏でもよく聞く、
「春」のメロディーが接近メロディーとして使われてて、
すっごく雰囲気壊れたことかなぁ〜…。
しかし、東京から800km近く離れてるここでも、同じメロディーが使われているというのは、何となく不思議な気持ちだったわい。


新山口に14時32分に到着。新山口には初めて降りた。
新幹線では「ひかり」も停まるくらいの駅だが、休日のためか、
駅構内の人の姿は本当にまばらだった。

ここも相変わらず雨だったので、駅舎の写真を撮ったあとはおとなしく駅構内にいることに。
駅前に「宇部進」っていう塾があり、入口のところで学生が何人かたむろしている。宇部進の名前からも、「ずいぶん遠くへ来たなぁ」と、妙にしみじみしてしまった私だった。


さて、その次に乗ったのが、新山口15時05分発の下関行き普通列車。
車両はさっきとは違う117系で、噂通り車内は快適だったが、
壁に古めかしい木目調が使われていたりなど、何となく一世代前の車両という感じがした。

車内の客層は地元の利用者がちらほら、あとは青春18キッパーが何人か。
雨模様の車窓には、宅地開発の進む土地が頻繁に見える。こんなところに何か作って、何か利益が出るのかはなはだ疑問だが、自然が失われるのかと思うとかなり複雑な心境だった。

下関を目前にした幡生駅で、見覚えのある車体が目に入った。
あ゛っ!!! あれって、車両の解体工事場所か???
窓を取り外された湘南色の113系などがたくさん並んでおり、
雨だというのに113系が無残に解体されている様子が見えた。

思わず一番後ろの車両へ移動し、車掌室の窓のところから解体直前の113系をパチリ。

もはや解体寸前? 塗装はキレイだがどことなく寂しげな表情を見せる113系。 113系の裏には解体クレーンが……。ちなみに当日はキハ58・28の解体を行っていた模様。

車掌のカバンがかなり邪魔だったが、うまくスキマを狙えばこの通りだ。
きっとこいつも、この旅行記を書いている頃にはこの世に存在しないんだろうなぁ〜。
なんか、すごく悲しかった私だった。
その後も電車は順調に走り、下関に16時12分に無事到着した。

さて、下関からは小倉行きの普通列車に乗り換える。ついに九州上陸だ。
中学校の卒業式の翌日に北海道入りは果たしており、これで四国以外と、小さい島々を除けば基本的に足をつけたことになる。
小倉までの電車はかなり古い415系だったが、車体はステンレス製。
色は常磐線とかでよく目にするのと同じ青だけど、こっちの方がちょっと淡いし、そうでなくても車内の雰囲気はぜ〜んぜん違うのだ。

さて、下関を16時58分に出発。
発車してわりとすぐに暗いトンネルに突っ込み、しばらくしても出ないところから関門トンネルを通過していると分かる。
そういえば以前行った北海道の「スーパー白鳥」では、青函トンネルに入ったら車内放送でも案内があるくらいだったが、この関門トンネルはそれに比べるとずいぶん地味。
今から九州入りで〜す♪」なんて放送くらい、あってもいいのになぁ〜。

お客さんの姿もまばらで、長大トンネルを通過していることをのぞけば、
なんか田舎のローカル線に乗っているような気分だった。
どうやら、下関の人が小倉に買い物に行く、的な感じで利用されているような感じ。

そしてあっけないほど早く、電車は九州に上陸し、小倉駅には17時15分に到着した。
こんな、いかにも「普通」な列車で上陸したから、
九州の地に足をつけるのも、なんとなく不思議な気分だった。

下関駅のホームの水道。旅情を誘うけど、ホームに停まっているのは銀色のステンレス車。 小倉駅に着いて一枚。
九州で初めて降り立った駅は小倉でした。 小倉駅に来て待ち時間があったので、こいつを一往復してきた。乗り心地は良い。

九州に来たのは初めてだったし、現地の人々の生の生活にもふれてみたかったので、北九州モノレールに乗ってみた。
モノレールに乗ったのは久しぶりだったが、乗り心地の良さには驚いた。
駅にクリスマスツリーが置いてあったり、車内にもクリスマスのラッピングが施されていたりなど、細かいところの配慮も行き届いていたのは好印象。いつかゆっくり乗ってみたいなぁ〜。

終点まで乗って折り返して良い感じに時間がつぶせたので、駅弁2個とお茶を買って準備を整え、まずは「はやぶさ」の入ってくるホームへ向かった。
今回の旅行の折り返し地点として小倉を選んだのは、単に九州入りが果たせて金銭も節約できる、というのが大きかったが、もう一つは「はやぶさ」と「富士」を両方撮影できるという点もあった。あえて「富士」にしたのも「はやぶさ」より後に来るからである。

ホームの停止位置を確認してからカメラの準備をしていたら、そばにいた30歳くらいの鉄道ファンの男性が声をかけてきた。
いわく彼は大阪から来たのだそうで、「富士」と「はやぶさ」を撮った後に博多へ移動して、そこからいわゆる「なはつき」(「なは」と「あかつき」の併結編成)に乗って大阪へ帰るのだという。
出張で「なはつき」のみならず「銀河」もよく利用していたが、廃止になるのは残念だ、と寂しそうだった。
小倉で大阪の鉄道ファンと話せるなんて、何か不思議な気持ちがして、とっても嬉しかった。

そうこうしているうちに「はやぶさ」が到着したので、お互いスペースを譲りつつ何枚かシャッターを切る。ひどい雨だったが、何とか撮影し、その後、二人で私の乗る「富士」のホームへと移動した。
ホームには私にとっては、「九州の近郊型電車」としか認識できない電車が停まっていた。やっぱり生まれてこの方、九州に行きたいと思ったこともなかったから、このあたりの鉄道については素人以下の知識しかない私である。
しかし、目の前にいる電車の系列が分からないのは恥ずかしすぎだ。ということで、彼に聞いてみた。

「えぇっと、この電車って何系っていうんでしたっけ?」
813系ですよ。九州の電車はカラフルで見ているだけで楽しいですねぇ♪」(男性)
「そうですねぇ。東日本なんかみんな銀色で、どぎつい色の帯が貼ってあるだけですから、なおさら九州の電車がカッコよく見えますよねぇ。」
えぇ、西日本ももっときれいな電車走らせてほしいですよ。」(男性)

う〜ん、でも西日本の電車もすっごくイイと思うんだけどなぁ〜。
首都圏の混雑では、223系みたいな転換クロスシートが導入できないのも分からないではないが、
それでも130km/hでブンブン飛ばす223系にはどうしても憧れてしまう。
車内を覗くと、この813系にも転換クロスシートがついているから、ある意味で贅沢な悩みなのかなぁ〜、などと、柄にもなく、ちょっぴり嫉妬してしまった私だった。

話をしていると、「富士」の到着放送が聞こえ、遠くに光る2灯のヘッドライトが見えてきた。撮ったらすぐに乗り込まないといけないので、今のうちに挨拶を済ませておく。ホームに散っていた鉄道ファン数名もこちらへやってきてカメラを構え始めた。
ゆっくりとホームに入ってくる富士に目をやると、
なんと、東京では見られなくなった富士山型のヘッドマークをつけているではないかぁ〜♪♪♪♪
当然といえば当然なのだが、すごく久しぶりに見た感じ。やっぱり、富士山型のヘッドマークっていいなぁ。

停車と同時にシャッターを切り、男性に挨拶をして、一番前のB寝台から乗り込むとほどなくしてドアが閉まり、「富士」は定刻に出発した。
危うく乗り遅れるところだった。

さて、今晩の宿は初めての「B個室ソロ」。
去年行った北海道の帰りは、なんだかんだで「ロイヤル」になってしまったので、実は「ソロ」に乗るのは初めてである。
部屋は上段だから幾分狭いが、荷物は安心して広げられるし、着替えにも不自由しないので非常に落ち着く。

先に到着するのが「はやぶさ」。 その次が「富士」。私の乗った列車。撮影した時はひどい雨だった。
Bソロのベッドは狭いが寝るには十分な広さ。プライベートな空間を翌朝まで独り占めできる。 小倉駅の駅弁で夕食。味はまぁまぁ。

門司で先ほど見送った「はやぶさ」との併結を見てから部屋に戻ったが、
それにしても今日は雨がひどく、雨粒が窓に滴って外の景色がまるで見えない。
駅弁を食べてからはしばらくケータイをいじっていたのだが、途中でいきなり圏外になっておかしいなぁ、と思っていたら、
いつのまにか本州に戻っていたくらいもんなぁ〜。

前日からの疲れが限界に達していたせいか、浴衣に着替えてその日は早々に寝たのだった。


2007/12/23

目が覚めたら静岡駅に停車していた。昨日の夜19時30分頃に寝て、まるまる12時間寝てしまったこととなる。
せっかくの寝台列車なのに、そのほとんどを寝て過ごしてしまったのだ。
悔しかったが、ソロはそれだけ快適ということが分かった、と理解するしかないだろう。
静岡から車内販売が乗ってきたらしいので、ホットコーヒーを購入して朝飯にする。
富士、沼津と停車していくが、その度に隣の普通列車のお客さんとか、駅で待っている人にジロジロ見られるのはどうも気分がいい。寝台列車に乗っているという「ステータス」を感じられる瞬間だ。

23日の朝食。味はイマイチだったが、静岡を過ぎた列車内で九州の駅弁を食べるという違いに妙に感動してしまった。 A寝台のおじさんから頂いた手ぬぐい。ヘッドマークのプリントはブルトレならではだ。

食事をしてから、車掌さんのところへ行って、A寝台撮影の許可をもらってからA寝台車両へ向かった。
適当なあいている部屋を見つけて写真を撮っていると、60代くらいの男性が、ニヤニヤしながら声をかけてきた。

なに、ブルトレが好きなの?
「はい、きのう横浜から小倉へ行って、折り返してきたんです。もうなくなるじゃないですか?」
へぇ、オレも横浜だよ。どこに乗ってるの?A寝台?
「まっさかぁ〜。B寝台ですよ。ソロなんですけどね。」
やっぱ若いもんは金がないからきついよなぁ。オレも若いときはB だったよ。ほら、昔は3段だっただろ?あれは今から思うとすごく狭かったよなぁ。

と、昔のブルトレの話をいろいろ聞かせてもらった。
話も弾んできたので、途中からそのおじいさんの部屋に招待してもらって話を聞くなど、なかなか面白かったぞぉ。

この男性は、若い頃から鉄道に惹かれていたらしい。
生まれが九州で、早いうちに東京に出てきたため、
「はやぶさ」は20系時代から何度も乗ったという。
ちなみに今日は宮崎や鹿児島を旅行した帰りなのだそうだ。

しばらく話していたら、彼はふと思い出したように言った。

そういえば、A寝台には洗面タオルついてるの知ってるか?
「いえ、聞いたことないですけど。ついているんですか?」
そうだよ。見てみるか?

そうやっておじさんは、私の前に自慢げにタオルを掲げて見せた。
見て驚いた。「さくら」「はやぶさ」「富士」のヘッドマークが、美しくプリントされているではないか!

「すっげぇ、こんなのついているんだぁ。知りませんでした。カッコイイですねぇ。」
だろぉ〜?♪ やっぱA寝台だからなぁ。って、そうだ、これオマエにやるよ。
「え、いただけるってことですか?」
うん。オレ、来る時もこれだったし、そうでなくても何度も乗ってるからさ、タオル家にけっこう溜まってんのよ。
これ以上たまってもあげる人いないし、どうせA なんて乗れないだろ?♪
あ、もちろんオレ使ってないからな。

「本当ですか? ありがとうございます♪」

ということで、ありがたくいただいた。本当にありがとうございました♪
しかしカッコイイ。これは使わないで記念にとっておこうっと。

8時35分に熱海を出ると、いつものように見なれた緑帯の駅名板が目に付く。
昨日の夜は小倉にいたのに、12時間もかけて戻ってきたなんて、日本は広いんだなぁ、と妙に感動してしまった。

JR東日本区間の東海道線というと、やはり根府川の海が間近に見える区間がハイライトと言えるが、
「ソロ」の車両は、上り方向左側に個室がついているため、肝心の海は通路に出ないと見れない。
一方のA個室は右側で、なおかつ大きな窓もあるから、個室に座ってゆっくりと海を眺められる。
さっきの男性に頼んでみようかとも思ったが、さすがにそれはやめておいた。いつか自分のお金で乗るときの楽しみにとっておこう。

藤沢を通過したあたりで非常停止信号を受信して停車。どうやら川崎駅で人が線路内に入ったらしい。
電車が遅れるのは仕方がないが、東京に着いたらあとは帰るだけだし、私としては何時間でも乗っていたいから、
初めて遅れたことが嬉しく感じられてしまった。

列車は5分くらい停車してから発車したが、前の電車が詰まっているせいか、イマイチ速度は上がらないまま東京へ向かった。

東海道線のハイライトは通路から拝むことになった。意外に個室の乗客も出てきていた。 車窓に見慣れた電車が映るようになると東京まではあと少し。
本来ならすでに東京に到着している時間だが、いきなりの遅れで10時代まで乗車することに。 終点東京に到着。遠路はるばるお疲れ様でした。

今回、「銀河」と「はやぶさ」という、二つの寝台列車で、それぞれ一晩を明かしてみて思ったが、
やはりブルートレインの旅は開放寝台が一番楽しいと思う。
あるいは開放でなくても、どこか乗客が集まるようなフリースペースがほしい。
いろいろな地域から集まってきた人が、その列車の中では同じ「乗客」として一夜を明かし、
そこでの出会いもまたすてきなもの。
「はやぶさ」のB寝台は、確かに熟睡できたものの、行きの銀河に比べればお客さんとの交流はほとんどなく、
結局起きてからは個室でずいぶんと暇な時間を過ごすハメになってしまった。

ジョイフルトレインのような「北斗星」とは違って、
純粋な移動を目的としているのだからフリースペースがないのは仕方がないかもしれないが、
やはりフリースペースはほしいように感じた。

廃止まであと1年となってしまった「富士ぶさ」、すでに廃止となった「銀河」だが、
近頃の低価格移動手段の台頭を考えると、寝台料金の値下げなどの対策があってもいいように感じる。
だが、それが行われないところを見ると、もはや寝台列車は「時代遅れ」でしかないのかと感じずにはいられなかった。

「サンライズ」は寝台料金のいらない「ノビノビ座席」を導入して、優秀な乗車率を維持しているそうだ。
新型車両の導入を希望はしないが、既存の車両でゴロンとシートの導入くらいないものか。
若い人が「寝台列車」を一つの移動手段としてとらえてくれたりは…、などと考えてみたりもする。

予定よりやや遅れて10時2分、多くの乗客の心を道々に残し、「富士」「はやぶさ」は東京駅に滑り込んだ。
東京駅から降り立った乗客の数はまばらで、むしろ鉄道ファンの方が多かったのは意外だった。

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その後は東京で改札を出た後、いつものSuicaで入って、東海道線と京浜東北線を乗り継いで帰宅した。
ブルトレに2本も、しかも乗車券の学割だけで乗るという、きわめて贅沢な旅行だったが、
本当に充実した旅だった。

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