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2006/03/24  釧網本線事件 〜北海道で地元の女子に実名で呼ばれる〜

3月12日、網走から釧路へ向けて、普通列車で旅していたときの出来事だ。
車両は1両だったが、私は進行方向左側に座っていた。

前日夜行列車で全然眠れず、非常に眠かった私は、珍しくうつらうつらしていた。
川湯温泉で、修学旅行のグループ別行動中とおぼしき女子3名(ちょっと垢抜けない私服姿)が乗ってきたのだが、そいつらが非常にやかましく、非常に気になったが、眠たくてそんなのどうでも良い。

さて、しばらくすると、右手に素晴らしい山の景色が広がった(↓)。

北海道の人々にとっては、こんな山の景色なんて日常だと思うが、都会育ちの私にとっては、とても目新しい。ぜひ、写真に収めたい。
でも、私が座っているのは進行方向左側。右側は全て埋まっている。
しゃーない、デッキに出て、そこから撮影するか。

さて、何とか写真をとりおえて、デッキのドアを開けて、
まさにそのドアのところを通過した瞬間、列車がガタリと揺れ、
頭を開いた引き戸のところに、強打してしまったではないかぁあ〜〜〜〜!?!?
いってぇ……。

絵で表すとこんな感じだった。
当然、川湯温泉から乗ってきた女子達にはゲラゲラ笑われた。
めちゃめちゃバツが悪かったが、私も一応彼女たちに会釈して、再び座席に戻って、今度は爆睡。

ピンポーン……、

なぜだか、車内放送のチャイムの音で飛び起きた。
駅名版を見て…、なんだぁ、まだ茅沼かよ。
茅沼だったら、釧路までまだ50分近くある。
ったく、びっくりさせやがって…。

再び、カバンの上にひじをたてて、頬杖をついてうとうとしていると、さっきの女子達が何かささやいている。

ねぇねぇ、あの席の人、何かカッコ良くない?」(女子1)

ゑ?
今、キミ、何て言った?

思わず飛び起きた。
横目がちに、後ろの彼女達の方を見やる。
やっぱりオレを見てる。
やっべー、どうしよう…。

うん、メガネ外したら悪くはなさそうだよねぇ♪」(女子2)
でもさぁ、あんな頬杖ついていてもカッコイイと思う?」(女子1)
頬杖はちょっとアレだけど、その前に寝てたときは悪くなかった♪ 髪の毛も特に何もつけてないみたいだし、地味でイイと思う。」(女子3)

やっべぇ、カッコイイなんて言われちゃったよ。
もう1○年間生きてるけど、カッコイイなんていわれたの、生まれて初めてだなぁ。
それにしても、「カッコイイ」って言われる初めての経験が、釧網本線の茅沼と塘路の間なんて、何か分からないが、とっても嬉しい。

そもそもこいつら、オレが鉄オタで、ゴテゴテいっぱい荷物を持って旅行中だってこと、わかってるのかぁ〜?

寝ているのがカッコイイらしいので、また寝たふりをして、彼女たちにちょっとサービスしてやることにした。
寝たふりとはいえ、眠気がたまっていたらしく、再び眠りの世界へ〜♪

数分後、窓によっかかって寝ていた私は、ギクリとして飛び起きた。
誰かが、私を実名で呼んだのだ。
飛び起きて周りをキョロキョロするが、誰だかわからない。
あれ、ここって本当に北海道だよな? 釧網本線だよな?
普段、オレが乗る京浜東北線じゃないよな?

なんだ、きっと気のせいだろう。
めげずにまた窓によっかかると、後ろから声がかかった。

お〜い、抜け蔵♪(実名)寝てると乗り過ごすよぉ〜♪

だれじゃぁあああ〜〜〜!?!? オレのことを実名で呼ぶのはぁ〜!?
もう一度確認すると、それはさっきの女子達だった!
あれぇ、何であいつら、オレの名前知ってるんだ? どうしてだ?

たまたまカバンに目が行った。
そこには、私の本名が記された、タグがくっついているではないか!?
荷物をひったくられた時に、取り返す時の証拠になるということで、札幌についてからわざわざ私がつけたこのタグ。
まさかこんなことになるとは想定もしていなかった。

彼女達へ向けて、ちょっと大きく目を見開いてみせ、その後タグをカバンの中に押し込んで、再び眠ったが、もうtoo lateだ。
その後は終点まで熟睡し、列車は釧路に、定刻よりやや遅れて到着。
普段なら車内の写真を撮ったりする私だが、なんか気力がなく、
取材もしないで、さっさと乗り換えの列車が発車するホームへ向かったのだった。

ちなみに、女子達は私と同じく、釧路で降りていった。
誰だか分からないけど、カッコイイと言ってくれて、本当にありがとう。旅行の良い思い出になりました。

しかし、カッコイイといわれても、こんな形じゃあ、誰にも自慢できないよなぁ…。
そういう意味では、ちょっぴり落ち込んだ私だった。
あえて「抜け蔵の失敗」のカテゴリを選んだ理由は、こんなところにある。

ちなみに、私が乗った車両は、まさにこの車両。本当に1両編成だ。(↓)

2006.03.24 Nukezo 「抜け蔵のつぶやき」より